この日記を書こうと思った、というより、禁酒をしようと思ったきっかけは、暮れも押し迫った12月30日のことだった。夕食に入った焼き肉屋で、私はいつものように生ビールを頼んだ。最初の一口は美味しかったが、ジョッキの2/3程度を空けてしまったところで食べる方に専念を始めてしまったのだ。それだけ肉が美味しかったのかもしれない。あるいは、そのとき一緒にいた大切な人との時間を、酒によって壊したくなかったのかもしれない。いづれにせよ、充分満腹になるまで肉を平らげたあと、残っていたビールを飲んだときに思った。「まずっ!」

 そりゃ、一時間も経ったビールだから美味しいわけはない。そこまで放置したのだったら、新しいジョッキを頼むべきだったかもしれない。しかし、そのときに感じた感覚は、食後の満足感を吹き飛ばすような得も言われぬ不快感だったと同時に、これまでの10年以上の飲酒歴で一度も味わったことがない物であった。

 そして私は新年への誓いを立てた。「禁酒」。これまでこの誓いを何回したことであろうか。少なくとも、二日酔いをする度に誓ってきたことは間違いないが、それ以外にも酒に酔って起こしてしまった様々な失態やらエピソードやら記憶喪失やらetc・・・。しかしそれらの誓いは常に数日〜一週間程度で破られる物であった。そこで、今回はその進捗状況をWeb上にuploadし、自らの記録を残すことによって、自分がどのような時に酒を飲みたくなるのか、または飲んでしまうのかを客観的に見られるようにしようと思ったのである。(というのは建前で、ホームページに載せるネタがなにか欲しかったというのもある(笑))

 当面の目標は一ヶ月。ま、とりあえずこのくらいにしておけば楽かもしれないという気持ちが半分、私が尊敬して止まないHomer Simpsonも、様々な誘惑や妄想や幻覚幻聴と戦いながら守り通した期間だから、わしもできるだろうという気持ちが半分である。


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