それまでに読んだ本とか漫画とか
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2003年1月
1月1日隣家全焼 / ナンシー関・町山広美 (文春文庫)
 二年越しで読んだ。なにやら穏やかじゃないタイトルだが、内容は96〜98年頃の話を、著者の二人が喋っているだけ(笑)。中で落合博満の息子がずいぶん話題になっていたが、そういえばその後、落合本人も消えてしまったな(笑)。
1月2日機長のかばん / 石崎秀夫 (講談社+α文庫)
 これも二年越しで読み終えた本。旧空軍から全日空まで25,000回もの飛行経験を持つ筆者が、羽田から福岡までのフライトをシミュレートしながら、飛行機を飛ばす舞台裏を分かり易く解説した本。今まで東京〜大阪を初め、国際線も何度か乗ってきたが、これから飛行機に乗るときには、その見方が変わりそうな一冊だった。
 印象に残ったところは、上空三万フィートで急減圧が起きたとき、人が意識を失うまでの時間はわずか1〜2分であるという事実。この間に酸素マスクをつけなければ命に関わる。毎回離陸前、安全に関するビデオが流されるが、これは伊達じゃなく、ホントに命に関わる内容なのだと認識した。
うさぎの行きあたりばったり人生 / 中村うさぎ (角川文庫)
 「ショッピングの女王」こと中村うさぎが自らの半生を語った本。見所は、その豪快に買いまくったブランド品の数々が載ったグラビア。実際には、グラビアと言うよりVOWっぽい雰囲気がただよっているのだが(笑)。
1月3日もう消費すら快楽じゃない彼女へ / 田口ランディ (幻冬社文庫)
 三つの章から成っているが、1と2章はいろんな事件を取り扱ったコラム。3章はエッセイともショートショートともいえる不思議な感じの話がいくつか。かなり読み応えがあったので、また読み返してみたいと思う。
1月4日すんごくスバラ式世界 / 原田宗典 (集英社文庫)
 いつものように軽妙なエッセイ。小学生時代から青年期までを書いたということで、紙芝居とかスーパーボールとか子どもに戻って、「あったあった!そんなこと」とか同意しつつ読めるところが楽しい。肩の力を抜いて楽〜に読めた。
1月5日ぶつかり体験記 / 銀色夏生 (角川文庫)
 銀色夏生というと詩人として有名だったが、ヘタウマな (見方を変えたら「やる気がなさそうな絵」の) 表紙と、いろんな事に体当たりでトライしてるという内容に惹かれて買ってみた。最初は写経と座禅の体験。その後「神との対話」だの「前世療法」だの「波動測定」だの、だんだん怪しくなっていくところがとっても面白い。その描写も詩的でぐんぐん引き寄せられていく。そんな描写と、一ページごとに入っている本人の書いた絵がいい雰囲気。こんな文章を書きたいな。最後の「未来食」の話はとても惹かれた。自分でもそのセミナーに参加してみたいな。
1月9日どにち放浪記 / 群ようこ (幻冬社文庫)
 1984年から94年頃まで、いろいろなメディアに掲載されたエッセイをまとめた本。最初の「東京ビビンバどにち放浪記」は1984年から85年まで「ぴあ」に掲載されたモノ。考えてみたら、20年近く昔だ。そんなわけで「ナウイ」なんていう言い回しが出てきたりして、時代を感じさせる。とはいうものの、書いてることは納得出来る内容ばかり。読んでいて、その内容に肯いたり、怒ったり、感心したりと、性に合った感じがした。
1月11日ヤミ金融の手口 / 別冊宝島編集部 (宝島社文庫)
 最近新聞をにぎわすことが多くなった「ヤミ金融」が、どうやって人を食い物にしていくかというところを、債務者側から見た話が多数。後半はネズミ講やマルチまがい商法に関する話も出ていて、おもしろい。この本で再三いわれていることは、ヤミ金融の手に陥ってしまう前に、さっさと自己破産してしまうこと。事情があり仕方がないケースがあるとはいえ、一度サラ金から借りると、あっという間に借金地獄に陥っていく様子が生々しい。下手な業者に関わると、あっという間に身ぐるみ剥がされてしまう。恐いね。
1月13日いつテレビを買い替えるか / 西正 (小学館文庫)
 BSデジタル放送やらハイビジョンやらプラズマテレビやらいろいろ出てきてるテレビに、これから何が起こるか。取り合えず2011年7月24日を以て、現行の地上アナログ放送が終わってしまうということと、今は各種技術の過渡期でテレビを買うには適当な時期ではないということはわかった。あと、電波関係の政策が如何にいい加減かということと、相変わらず役所は縦割りでなわばり意識が強いんだなということも、文章の隅々にまで散りばめられていて、読んでて日本がイヤになってきた(爆苦笑)。尤も、2011年には日本脱出してるだろうから、どっちでもいいんだけどねヽ( ´ー`)ノ。最後に書かれていた、「これからはテレビ局じゃなくて番組制作会社で選ぶ時代になる」というのは分かるような気がする。
1月18日堤防決壊 / ナンシー関・町山広美 (文春文庫)
 今年の初めに読み終わった本の続編。「中田ビルド計画」なんて、いかにもありがちな話で爆笑だった。第二章以降はテーマを決めての対談だが、この二人のテンポ良い会話が心地よく面白い。最近、なにかニュースがある度に、ナンシーだったらどう書くだろうかということを考えてしまうが、すでにこの世に居ない人なんだよね・・・。それが非常に残念・・・(T-T)。
1月22日血の来訪者 / 大藪春彦 (光文社文庫)
 去年、この人の「野獣死すべし〜伊達邦彦全集1」を読んで、すっかりその魅力にとりつかれてしまった。今回その2が読みたくて、あちこちの本屋を探し回った挙げ句、三宮のジュンク堂でようやく見つけた代物(笑)。主人公の伊達邦彦が、銃と車を操り巨大企業に潜り込もうとする顛末を描いたモノだが、読みながら、どんどんその世界に入り込んでいく。昭和35年の作品だけあって、東京都内に麦畑があったり、車が聞いたこともない外車だったり、登場人物の言い回しにも時代を感じさせる部分は多々あったが、そんな部分を差し引いても充分楽しめた。これで銃マニアだったらもっと楽しかったんだろうな(笑)。唯一釈然としないのは、最後の最後、邦彦が自らの立場を失おうとするところで終わること。あれだけソツ無くこなしてきた邦彦が、なんで最後にあんな失態をするのか? また、99%逮捕されるであろう場面まで来て物語が終わってしまうのに、どうして次の作品では復活出来ているのか・・・。まぁ、物語にこんな疑問を持つのは野暮なのかも(苦笑)。
1月25日爆笑問題の日本原論 / 爆笑問題 (幻冬社文庫)
 この二人は10年以上前から目を付けていたのだが、ボキャ天に出始めたころから、ぼちぼち売れ始め、今は結構ビッグになったね。そんな10年前に見ていた番組が、CBCでやっていた「デイ・ブレイク」という深夜番組。ここには若き日の爆笑問題と共に、メジャーブレイクする直前だったウッチャンナンチャンも出ていた。その番組の中で、太田がパネルを用意して、社会問題とか大きなニュースとかを解説するように見せかけて、話をどんどん脱線させ、横で田中が突っ込みをひたすら入れ続けるが、とんでもない結論に結びつけてしまう、というコーナーがあったわけだ。まさに今の爆笑問題の芸風そのままなのだが、この芸風は当時から変わっていない。いや、当時の方が面白かったかも。
 そんな芸の台本のような物だが、太田の脱線具合が面白く、電車の中で読んでいて吹き出してしまったことが何度か。取り上げているニュース自体も、97〜98年と、比較的記憶に新しいことだったので、余計面白かった。できればこのネタ、映像で見てみたいな(笑)
1月26日笑ってる場合 / 原田宗典 (集英社文庫)
 エッセイ集。発行されたのが2002年10月だったので、初めて読むに違いない!と自身をもってかったのだが、どうもデジャヴに苛まされた第1章、第2章。過去の作品の再掲じゃないのか? と思う話もいくつかあったが、もっとも、同じ人が書いているわけだから、ネタの使い回しもあるかもしれない。第3章の、やや長めなエッセイは面白かった。この人は文中にちりばめた擬音や例えが面白くて、読者を引きつける。そういった文章も書いてみたいな。モノマネじゃなしに(笑)
1月27日殺ったのはおまえだ 修羅となりし者たち、宿命の9事件 / 「新潮45」編集部 (新潮文庫)
 1996年から2001年頃までに起きた、9つの殺人事件の犯人や家族、被害者らを追ったノンフィクション。いづれも記憶に新しいニュースばかりで、新聞やテレビで紹介された以上に掘り下げた関係者の証言は非常に生々しく、読んでいてどんどん引きずり込まれていった。
 背表紙のあらすじには「『普通の人間』は、どうして殺人鬼へと化したのか。」と書かれているが、一部のケースを除いて「普通の人間」といった感じがなかった。もっとも読む側が色眼鏡をかけてしまっているのかもしれないが、家庭環境からして「普通」ではなかったようだが・・・。これの第一弾も読んでみたいと思った。
1月29日ありがとうございません / 檀ふみ (幻冬社文庫)
 檀ふみといったらNHKの「連想ゲーム」でしか見たことがないのだが、考え方がわしとずいぶん違ってて、最初は違和感があったのだが、だんだん面白くなってきた。オチの付け方がショートショートのの様なエッセイがいくつかあって、「むむっ」と唸らされた。

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